メールでご質問を頂き、以前にも何度か同様の質問を頂いておりますので、「広告の回数と範囲」に関して、僕の経験上思う域を越えませんが簡単に書かせて頂きます。
専門書などを読みますとワインバーグの広告費決定モデルやラーナーのDEMONモデルなど、複雑な条件や変数を組み合わせた数理モデルなどが出てきて、5軒飲み屋をハシゴした翌日の様に頭が痛くなってきますが、今回はそういうのは一切でてきません。
全国区で上から100番以内に入っているような企業さんならビッグデータを元にある程度実情に沿った解答が導かれるでしょうが、範囲が狭くなればなるほど数値化できない要因の影響割合が大きくなるからです。その狭い範囲をよく知っている貴方の勘の方が正しい、という事もしばしばです。そもそも出せない予算を算出されても戸惑うばかりです。
今回は、展示会の短期直接行動広告などではなく、数年以上継続して経営する店舗型の集客施設で、実際に現場に立っている経営者、或いは管理職の方が、深酒の翌日もあまり頭が痛くならずに、広告の回数と範囲を決めるにあたって最も基本になる方法・・・というか考え方に関して書かせて頂きます。
まず広告宣伝で何を目指すか。これは全国区の企業でも全く同じで「一人のターゲットに対して一番露出する事」です。メニューやサービスが同等ならば、全国で一番露出する中華料理店が全国一の中華料理店、町内で一番露出する焼肉店が町内一の焼肉店です。自店のターゲット一人に対して、ライバル店の中で一番多い回数が広告すべき回数、そして年間継続して行える予算で、その回数をキープできる範囲が広告すべき範囲です。一枚の広告を何人が見ているかではありません、一人が何回見てるかです。
例え大手ドミナントのライバル店が100万部の範囲に月2回折り込んでいるとしても、貴方のお店が3万部の範囲に月3回折り込めば3万の範囲では貴方の勝ちです。
一番の露出をキープしながら売り上げが伸びて、使える広告予算が増えれば範囲を広げればいいだけです。折込チラシが高いなら看板やバスなどの交通広告などCPM(1000人当たりの広告費指数)の低い媒体を使用すればいい。そこに暮らしている貴方なら、ライバル店の広告露出ボリューム、どの道の交通量が多いのか、どの交通機関で通勤する人が多いのか、全て判るはずです。要は金額じゃなく立地を含め総合的に一番露出する方法を考えるという事です。テレビCMに看板で太刀打ちすればいいのです。
もし、一切予算が無いならば、お店の制服を着て向こう三軒両隣の道を出会う人みんなに気持ちよく挨拶しながら毎日掃除すればいい。そうすれば少なくとも向こう三軒両隣で一番の露出、向こう三軒両隣では一番の広告効果が得られます。
メディアの種類や内容を別にして基本的な考え方だけでいうと、やるべきことはとっても単純です。
テレビCMなど電波メディアを使う大手チェーンが来たとしても、「一人のターゲットに対して一番露出する事」この基本さえ押さえていれば太刀打ちする方法は必ず見つかります(^^)d