個人事業から数えると四半世紀とちょっと、法人成りしてからも何と18期目の期末を無事迎えることができました。風が吹けば飛ぶような会社ですが、新型コロナなんて微風だと思えるような暴風もたくさん吹き荒れた中、ここまでどうにか歩いてこれたのも、生意気盛りの駆け出しデザイナーに仕事を下さって、可愛がっていただき、沢山たくさん勉強させていただいた皆様のお陰です。
コロナのせいもあり最近ニュースで「合理性」や「エビデンス」なんていう言葉をやたら目にするのですが、そのたびに、もう今は鬼籍に入られた恩師の言葉を思い出します。
「社会は「理」で動いてるんじゃないよ。「理」なんて社会を構成する膨大な数の多面体の僅かに見えている側面にしかすぎないからね。個々の人が自分の見える面を合理と言い、見えない面を不合理と言ってるだけだから、理屈と屁理屈を分ける基準もない。そやから理屈っぽい奴で商売成功してる奴おらんし、政治家として大成した奴もおらんやろ。理で社会を見ようとすれば見誤るよ。もちろんデザインもね。」
標準語と関西弁をワザとごちゃまぜで話すよく通る声とトボケた顔が目に浮かぶ。極端だけど仰る通りだなあとつくづく思います。
しっかり目を見開いて、自分の前に広がるせっかくの世界を「理」などというちっぽけな視界で見ないように、デザイナーとしての目を養えるよう、これからも精進してまいります。
まあ、老眼でちっぽけなものはどうせ見えないんですが。。