あけましておめでとうございます。
令和2年も明けました。
某保険会社さんに頂いた今年のカレンダーによれば今日令和2年の1月1日は赤口だそうです。
六曜では1月1日は先勝から始まりますので、旧暦を元に決められていることが分かります。
膨大なビッグデータを元に保険料率を決める保険会社のカレンダーに、未だに大昔の占いが載っている事を微笑ましく思うのですが、皆さんは気にされますか?
六曜は中国の戦の吉凶占いが起源と言われていますが、ウィキ先生によれば日本に伝来したのは14世紀の鎌倉時代だそうです。
鎌倉時代は1333年までですので、1283年生まれで1350年に没した吉田兼好とドンピシャの時代になります。
兼好が記した徒然草の第91段に非常に面白い記述があります。
「この頃、何物の言ひ出でて忌み始めけるにか、この日ある事、末とほらずと言ひて、その日言ひたりしこと、したりしことかなはず、得たりし物は失ひつ、企てたりしこと成らずといふ、此事おろかなり。吉日を撰びてなしたるわざの末とほらぬを数へて見んも、また等しかるべし。」
つまりザックリいうと、「最近、誰が言い出したんか知らんけど、仏滅に始めた事は成功しないっていうんやけど、バッカじゃないの?大安に始めて失敗する数も一緒じゃい。」って事ですね。
六曜が日本に伝わった遥か昔から、今と同じように占いを信じる人も批判的な人も居たって事が、どちらが正しいという事ではなく、とても面白いと感じます。
占い自体に信憑性が無かったとしても、占を気にする神経質な人がオーディエンスとして多数派なら、日の吉凶も含めて委細漏らさず用意した方が、成功の確率は上がるかもしれないですもんね。或いは保険会社さんのデータには占いを信じる人が多数派と出ているのかもしれません。
何はともあれ、兼好は91段を以下の様な言葉で締めくくっています。
「吉日に悪を為すに、必ず凶なり。悪日に善を行ふに、必ず吉なり。吉凶は人によりて、日によらず。」
一年の計は元旦にありと言いますが、
令和2年、日によらずなるべく善を多くして、吉日を増やしたいと思います。