先週末、ある業界団体の集まりがあり、東京へ出張中の事です。良い気候ですので散歩がてら浅草寺へ・・・夜だというのに海外からの観光客でとても賑わっていました。(写真は肖像権の問題で人があまり映っていない写真ですが)
僕が関西育ちなせいもあるかもしれませんが、正直「浅草寺」って少し派手過ぎて悪い言い方をすると俗なイメージがあります。でも日本以外のアジア地域の仏教寺院と比べると派手さはグッと控えめですよね。もしかしたら海外の方の目には「浅草寺」も厳かな趣きのあるお寺に映っているのかもしれませんね。

一般的に「客観性」と「主観性」は相対するもののように捉えられていますが、実はこの捉え方は間違いです。また客観性という大きな輪の中に主観性という小さな輪が含まれるという考え方もデザインを構想する視点としては真逆です。
人の思考には実は主観しかありません。客観主義と呼ぶ客観的主観のカテゴリーはあったとしてもあくまで主観です。つまり主観という大きな輪の中から、ある一定の指数以上を占める指向の多数派の輪を「客観」と名付け切り出しているだけです。

挿絵の向かって左側の人の多数派認識は「6」ですね。右側の人の多数派認識では「9」です。立ち位置によって客観性も変わるという事です。
デザイナーに客観性が必要だとされるのは、より多数派に訴求する必要があるので当然なのですが、結果を出すためには前提としてターゲットの主観のベクトルを捉え損ねないことが重要です。手順としてはまず何より先にターゲットの視点から主観的にものを見る事・・・そうして初めて客観性が生きてくる検討に入れます。この手順を踏むだけで販促企画の大失敗は大幅に減ります。この手順を踏まずに自分の頭の中で客観性を追求すると挿絵を正面から見て「6でも9でも正解」という全く意味のない客観的解答を導き出すことになりピントが外れた企画になりがちですので、くれぐれもご注意ください。・・・・はい、ご想像のとおり、私自身が若かりし頃、思いっきり何度もしくじった経験による教訓です(^^;)